 五時7分、曇り Tシャツで快適な温度。
洗面所に行こうと寝室を出て階段を降り廊下を歩いていたらヤモリがいた。 最初は遠目に見て廊下の床面にゴミが落ちているのかと思った。
近寄って観ると灰色のそれはヤモリだった。
可愛いヤモリ。
大きい個体だけれども体の大きさに比べて尻尾が短い。
過去に尾を自切したのかもしれない。
頭や体は大きいけれども、 冬眠から覚めたばかりで脂肪も使い果たしたままの様子。 お腹はぺちゃんこだった。
晩夏や秋になるとヤモリは丸々太ってお腹も膨れている。
このヤモリは冬眠で栄養を使い切った外観だった。
外に逃がしてあげることにした。
わしはヤモリに尻尾を切らせない様になるべく体に触れない様にうまく隅においつめて
自発的に手に乗るように仕向けて右手に乗せた。
蠅とり蜘蛛や小さなヤモリはなかなか手の上に乗らない。
このヤモリはすんなりわしの右手に移動した。
ひんやり冷たくてその感触が心地よかった。
手の吸盤がぺたぺたわしの手に吸い付いて掴るのも可愛く気持ちいい。
ヤモリはわしの手に張り付いてじっとしてる。
小さな命が一つ。
そのまま洗面所に入り、奥の浴室まで行き、 網戸を開けてそこから草の茂みのなかに放してあげた。
ヤモリはすぐにどこかに見えなくなった。
屋内に居たら ドアや引き戸の開閉や人の往来で事故死する率が高いはず。 外に逃がしたほうが良いのだ。
外には水もエサも豊富で仲間も沢山いる。
天敵もいるけれど、元々外に住んでいて繁殖しているのだ。
つまらない事故死なんかしない様に祈った。 |
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