古いビルの屋上に出た。
古い、鉄筋コンクリート建築で既に廃墟のようなところ。
隣のビルの屋上に獅子のように大きな犬がいて、
わしの気配を感じて唸り吠え出した。
その犬の近くに50代後半ぐらいの大きな体の男性が居て
その犬を安心させようとしていた。
犬の前足は付け根から両方とも無くて、後ろ足だけで立っていた。
事故に遭ったのかな?
――――――――
犬を興奮させないよう、ビルの屋内に入った。
そこはレトロな木造建築の内装だった。
階段を下りていくと、いつの間にか夢の中限定の知人と一緒に歩いていた。
廊下を歩いていると、
進行方向右側に両観音開きの扉があり、
扉を押すと軽く開いたのでわしだけ中に入った。
そこは病院の廊下のようでもあり、細長い処置室のようでもあった。
わしが一歩踏み入れて、観察すると部屋の奥の方に在った車付きキャビネットがひとりでに部屋の奥にスーっと動きだして奥に移動して停止した。
誰も居ないのに。
少し怖くなり、わしは部屋を出て元居た廊下に戻った。
廊下には窓があり、
先ほど居た部屋の内部が見える。
みていると、先ほどの部屋の中を14歳ぐらいの栗色の髪の少女が部屋の奥から走ってきて、
わしの居る場所と扉一枚隔てた向こう側を通過した。
その部屋には誰も居なかったのに少女が走って来たのがハッキリ見えた。
その時、他界した人なのだと思った。
恐怖はなくて、
扉を開けて再び部屋に入ると、少女が悲しそうな顔をしてこちらを観てじっと立っていた。
背が高くて髪形はショートボブ。
服は赤っぽいえんじ色の柔らかな起毛の長袖に茶色いウールの膝丈スカート。
色白で整った顔の西洋人だった。
安心させてあげようと思って、優しく少女の頭を撫でると、 生きている人と同じで手に頭や柔かな髪の感触を感じた。
さらにその部屋の奥をみると奥の方はリネン室のような
ホテルの狭い備品倉庫のようになっていた。
そこには仰向けになって苦しんでいるセーラー服姿の高校生が二人いた、二人とも昭和期の日本人。
おそらく火災の熱と煙。
火災でこれから二人が亡くなる。
その光景が目の前に映し出されていた。
まさに、過去にこの場所で亡くなっている人たちの光景。
とても苦しそうにもがき苦しんでいるも
わしができるのは観察するか立ち去る事だけ。
助けることができない。
わしは部屋を出て仲間と合流した。
そして、幽霊を観たことは言わず、
早く日の光と新鮮な空気を吸いたいと感じて
ビルの外に出るために暗い階段を降りようとした。
ところが下に降りる階段はあまりにも真っ暗な闇に包まれていて何も見えない。
壁にある明かりのスイッチを見つけて押すと温かな電球色の光で階段が照らされた。
降りようとすると、仲間が何か良くないものが下に居るから留まったほぅが良いと言うのでわしは下りずに踊り場にとどまった。
そしてさっきいた部屋にも沢山の幽霊が居るのでそちらにもいかないほうが良いと告げられた。
気がつくと、わしの前には二人のナチスドイツ時代のドイツ兵が居た。
二人とも190pぐらい身長がありそう。
とても背が高くてナチスドイツの軍服とヘルメットをかぶっていた。
ドイツ語でなにかを喋っているけれども、わしには何を喋っているのか判らない。
遠い過去にドイツに観光旅行したことがあるし、 それとは別に一時期ドイツ語を勉強したこともあるにはある。 でもごく限られた簡単な単語しかわしにはわからない。
二人のドイツ兵が 何を喋っているか判らなかった、 けれども 力を失くしていて希望もなくして疲れているような感じだった。
―――――――――――――― ここで夢が覚めた。 ――――――――――――――
思い返していて、身動きできなくなっている幽霊を天に還す必要があることをその夢で理解できた。
わしには幽霊なんて見えない、除霊成仏なんてしたこともない。
でも、地球を光で包んで生きとし生けるものや既に死んで肉体を失っている存在の階層を上げて天に近いところまで浮上させることはできそうな感覚がある。
わしはそれをしっかりやろうと思う。 その為にこんな奇妙な夢を観たのだと感じる。
この夢は光のエネルギーワークを行う強い動機付けなのだと感じた。
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